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多汗症のメカニズムを知っている人は、それほど多くはないようです。強いストレスや緊張状態が続いた時の汗を精神性発汗といいますが、これは脇の多汗症の原因の一つに数えられます。脇の多汗症は、精神的発汗の中でも限定されたから過剰に汗が出る、いわゆる局所性多汗症の一種です。手のひらや足の裏、顔面などの場合もあります。汗をかきやすくなるのは、交感神経の作用で汗腺の働きが活発化することが原因ですが、不安や緊張、ストレスなどによって交感神経の働きは強くなる傾向があります。神経質な人や緊張しやすい人、几帳面なところがある人などは精神的発汗によって汗をかきやすいと言われています。多汗症の原因には、ホルモンの失調などの自律神経の乱れも関係しています。ホルモンの分泌をコントロールしている器官は自律神経をコントロールしています。そのため自律神経の働きが乱れ、体温調節機能が低下することで、脇の多汗症になってしまう場合があります。更年期が原因でと女性ホルモンの分泌量が減少して同じようにホルモンバランスが崩れてしまい、脇の多汗症になる原因になることもあります。たばこやコーヒー、辛いものなど生活習慣や食生活が原因となることも脇の多汗症にはあります。交感神経は活動が活発になると体内の汗腺を刺激し発汗を促しますが、緊張や不安だけでなく、ニコチンやカフェインなどの刺激物も交感神経を刺激する作用があります。これらの脇の多汗症になる原因が分かれば対処がしやすくなるでしょう。 |
脇の多汗症対策について |
脇の多汗症の対策を考えてみましょう。まず、不安感や緊張を解きほぐし、リラックスを心がけましょう。精神性発汗での多汗症は、マインドコントロールが大事です。思い詰めず、ストレスをため込まないように心がけることも必要です。脇の多汗症対策には、食生活も見直してみるのもおすすめです。辛いもの、動物性脂肪の多い肉類、冷たいものを避けることです。タンパク質は体温を上昇させ、汗をかきやすくする物質です。また、動物性タンパク質は体臭の原因にもなっています。臭いを抑えるデオドラント効果のある制汗剤を使って発汗を減らすことも、多汗症対策には効果があります。脇の下から独特の汗の臭いがする原因は、雑菌の分解によるものてです。これを制汗剤によって抑制するのです。脇の下の皮膚は弱いので、制汗剤を使いすぎると肌荒れの元になります。また、菌の減りすぎが増殖の元にもなります。汗をかいたままにしておかないことも、多汗症対策には有効です。洗い流すことができれば一番いいのですが、無理な場合はタオルや汗取りシートで汗をこまめに拭き取ります。あせをかきにくいような、通気性のいい素材を選んで着てもいいですし、汗をかいても気にならないような、吸水性のいい衣服を着ることによって精神性発汗の対策になります。脇の多汗症対策は、本人が汗をかくということを気にしすぎることなく生活できるように対処することが一番の対策といえるでしょう。 |
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脇の多汗症手術にはボトックス注射 |
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脇の多汗症を治療する方法として手術を行うという選択肢もあります。ボトックスという薬剤を脇の下に注射する手術では、一定期間発汗を抑えて多汗症の対策ができます。手術が必要な多汗症かは、じっくりと考えましょう。施術を受ける前に、どのようにしてボトックス注射が多汗症を抑えているのか、費用や効果期間について等のカウンセリングを受けて決断したいものです。脇の多汗症手術の種類としては、ボトックス注射があります。ボトックスの働きによって神経伝達の一部をブロックします。これにより交感神経からの発汗作用が抑制されます。多汗症が気になる部分にボトックスを注入するだけで、30分とかかりません。ボトックスを脇の下に注射することになりますが、術後の痛みはほとんど伴いません。治療時間も短く済みますし、メスを使わないので痕も残りません。しかし、ボトックス注射にも欠点が全くないわけではありません。効果持続期間は数ヶ月から長くて1年ほど、多汗症が完治するわけではないということがボトックス注射のデメリットです。ボトックス注射で注入するボツリヌス菌という医薬品は世界でも厳しいといわれているアメリカの安全基準でも認められているため安全性が高いのも特徴です。ボトックス注射を行うかどうかは自分自身でどの程度、脇の多汗症の治療をしたいか考慮して決めることが大事です。 | |